5月の法話(令和2年)
5月の法話(令和2年)
原文:極楽国土には七宝の池あり。八功徳水そのなかに充満せり【仏説阿弥陀経】
現代語訳:極楽世界には七つの宝でできた池があり、不可思議な力を持った水がなみなみと讃えられている
新型コロナウイルスの影響により緊急事態宣言が全国に拡大されました。
この先、どのようになっていくかを冷静に見ていきたいと思っておりますが、この影響により自宅にいる時間が増えた方も多いと思います。本を読んだり、趣味にいそしんだりするのもいいですが、たまにはお仏壇の事について考えてみませんか。
まず、私が子どもの頃に覚えているのは、お仏壇には必ず干菓子と茶器にお茶かお水(もしかしたら両方だったかもしれない)がお供えされていたことです。皆様の家庭のお仏壇のお供えはどうでしょうか?
基本的にお仏壇には決まりごとがあります。その一つがお供えする物は必ず自分たちがいただくということです。お客様からいただいた物をお仏壇にお供えしておさがりをいただく。
覚えがないでしょうか?干菓子はどうでしょうか?頂くのであるならば問題はありませんが日持ちするからある程度の期間お供えして捨てるのであれば間違いです。
浄土真宗では使用しませんが茶器のお茶やお水はどうですか?これも捨てる方がほとんどです。ご先祖様ものどがかわく?夢でご先祖様が出てきてのどがかわいているからとお仏壇にビールや焼酎をお供えしたという話を聞いたことがあります。その必要はないのですが。
仏説阿弥陀経(お勤めが正信偈に代わる前にご一緒に拝読していたお経。赤い経本P94)には、【「極楽」には、七つの宝石で飾られた池がある。その池には、八つのすぐれた性質を持つ浄らかに澄んだ水がたたえられ、池の底にはくまなく黄金の砂が敷きつめられている。】とあります。 一つ、甘くて美味しい。 二つ、冷たい。 三つ、軟らか。 四つ、軽やか。 五つ、きれいで艶やか。 六つ、臭いがない。 七つ、飲みやすい。 八つ、安心して飲める。
このように極楽世界には、八つのすぐれた性質を持つ浄らかに澄んだ水がたたえられています。だから全く心配しなくても大丈夫です。その八功徳水を表す仏具が華(け)瓶(びょう)になります、高価ではありませんので茶器を外し華瓶をお供えしましょう。お仏壇のご主人様は阿弥陀様です、ご先祖様が入っている所ではありません。