少し長い文章ですがお読みください
人が亡くなられてから初めて迎えるお盆を「初盆」(はつぼん)と言います。お亡くなりになった日が一月や十月なら普通に、その後初めて来るお盆の時期に初盆を勤めればよいと考えますが、八月のお盆の最中に亡くなられた場合、或いは四十九日が終わらないうちにお盆の時期を迎えるとなると、「さてどうしたものか」となります。
一般にはお盆になると亡くなった方があの世からこの世界に戻って来られて、家族と一緒に過ごすと言われています。「迎え火」「送り火」や茄子などの野菜につまようじやマッチを刺して動物の形をしたものを作り備えるのは、この習わしから来ています。
しかし、浄土真宗では「お盆の間だけ」亡くなられた方があの世から帰ってくるとは考えません。そうすると初盆をいつと考えるかということも、一般的なものとは異なってきます。以下に浄土真宗としての考え方をお知らせします。
1)その年の夏が初盆という考え方。四十九日が済まない間でも初盆と見る考え方
2)翌年の夏が初盆、一応一段落つく時間をおいてお盆を迎える考え方
浄土真宗の場合、お盆というのは、亡くなられた方をご縁として、私たちが仏さまのおえに遇わせていただくためのものです。ですから、どちらでもよいのです。地域によっては、四十九日が済むまでは故人が成仏していないので初盆でないと言われる場所もあるようです。
しかし、浄土真宗は「即得往生」(そくとくおうじょう)ですので、四十九日がすんでいないということにこだわる必要はありません。
ところで、お盆の時期はいつかということは、地域によって様々です。社会的な「お盆休み」は八月の中旬ですが、七月という地域や八月全部がお盆という地域もあります。
鹿児島は、八月の半ばごろというところが多いようです。妙行寺では7月15日から8月20日まで(出張所は8月15日まで)をお盆の特別法要の期間としております。いずれにしても、お盆の間だけ家に迎えてお盆が済んだら追い返すという考え方は浄土真宗にはありません。
故人の尊いいのちをご縁として、阿弥陀様の願いや、私たち自分自身のいのちについて、改めて目を向ける事が大切な事です。