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12月の法話(令和元年)

12月の法話(令和元年)

それがどうした?

原文:ひそかにおもんみれば、難思の弘誓は難度海を度する大船、無碍の光明は無明の闇を破する恵日なり

【教行信証 総序】

現代語訳:弥陀の誓願は、私達の苦悩の根元である無明の闇を破り、苦しみの波の絶えない人生の海を、明るく楽しく渡す大船である。この船に乗る事こそが人生の目的だ


女優の樹木希林さんが入院中に窓の外を眺めながら、「死なないで。どうか生きて、命がもったいない」と、子どもがいっぱい死ぬ日と言われる9月1日に繰り返し言ったとのことです。

週刊朝日  2019年9月20日号より作家林真理子さんと樹木希林さんの長女内田也哉子さんの対談抜粋
林真理子:やっぱりすごく大きな存在だったんでしょうね。也哉子さん、お母さま(樹木希林)から「この国では、9月1日は子どもがいっぱい死ぬ日なのよ」って教えていただいたんでしょう?
内田也哉子:はい。入院中の9月1日に、母は窓の外を眺めながら、「死なないで。どうか生きて、命がもったいない」って繰り返し言うんです。頭おかしくなっちゃったのかしらと思ったら、2学期が始まるこの日に、いじめや引きこもりで暗闇から抜け出せない子どもたちが、いっぱい自殺してるんだと言うんです。死が目前になった自分と、未来ある子どもたちが自死するという対比にもどかしさを感じたんでしょうね。
林:まあ、病室の窓からそんな……。
内田:その母の言葉がきっかけで、私は「不登校新聞」の編集長や、不登校経験者や、不登校の子どもを育てたお母さんや、教育者などにお会いして生の声を聞かせていただいたんです。「人生この道しかない」じゃなくて、いろんな道があって、いろんな曲がり方があって、時には立ち止まるときもあるし、社会全体の大人たちが選択肢を広げてあげれば、すぐ死に結びつけなくてすむんじゃないか。そんなことを母の言葉をきっかけに考えさせてもらったんです。この問題に関しては、これから折に触れ、いろんな方と対話を重ねていけたらいいなと思っています。  以下略

 「生きる」あるいは「生かされる」ことは、時にはとてもしんどいことです。生まれた以上は生きていくしかありません。「がんばれ!」と言われてもこれ以上頑張れない時もあれば、何もかも嫌になる、あるいは放り出したくなることも。放り出してしまえればそれでよいのでしょうが、中々そうは出来ない時もあります。そんな時に友人に言われた一言が表題の「それがどうした?」です。ああでもないこうでもない、どうすりゃいいんだ!と思っているときにこの一言を言われ、「へっ????。…あっ、そうか❕」と戸惑いながらも思ったものです。考えてもどうしようもないこと・努力しても変えられないことそんなことに捉われていたら自分の時間がもったいないことを「それがどうした!」の一言で「その通りだ」と教えられました。

江戸時代の僧侶で仙厓和尚という高僧の逸話です。亡くなる間際に辞世の言葉を求められ、和尚の言葉は「死にとうない」の一言だったのです。名僧の最期の言葉がこれでは困ると弟子たちがもう一度促すと、やはり「死にとうない」という言葉が返ってきます。 慌てた弟子たちが、「いえ、ご冗談ではなく、どうか本当のお言葉を…」と、さらにしつこく念を押すと、繰り返し「ほんまに、ほんまに死にとうない!」と言ったということです。この逸話は単に高僧と言われた方の死を受け止め方の問題ではありません。大切なのは死に際ではなく、それまでの生き方が問題であることを教えています。そんな苦しみ多きこの人生を明るく照らし、私のために大いなる救いの手立てを完成された阿弥陀如来があるということ。一人ではとても耐えきれないことや誰にも言えない思いなどをともに抱えてくださる存在があること。心強いですね。


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