いらない部品はありません
みんな必要な部品です
今月の言葉は、2000年に放送されましたドラマ「天使の消えた街」の中に出てくる言葉です。物語は、借金を肩代わりしてしまった主人公のもとに、自閉症と共に生きる兄が現れ共に生活をしていくことが始まります。
兄は、生活の中でこだわりが強く主人公との間には幾度となく衝突が生じます。しかし、そうした摩擦の中で次第にお互いに理解し合い、また周囲の人も兄と関わることで、さまざまな気づきを得ていく物語です。
私たち人はそれぞれに特徴や癖、不得意なことやこだわりがあり、時にそれが摩擦を生むことがあります。しかし、その人の存在があるからこそ、気づかされることもあり、お互いに学び合い、補い合うことができるのです。そうしてお互いに関わり合っていくことで、自分という存在が成り立っています。
こうしたお互いに関わりあっていることを仏教では「縁起(えんぎ)」といいます。
すべての存在はお互いに関わり合い、支え合って成り立っているという教えです。
自分にとってマイナスに感じる部分、欠けているように思えるところが、実は相手にとっての学びや気づきになっていたり、その人の存在を支えていることも少なくないのです。そんな私たち一人ひとりが、大切な存在なのです。
私たちが普段「当たり前」と思っている日常は、周囲の多くの人に支えられ、成り立っています。
そして、この中で「この人はいらない」と切り捨ててしまうことは、自分自身の一部を切り捨てることにもつながります。どんな人も「大切な存在」であり、それぞれが大きな全体の中で役割を担っています。人と人との違いを恐れるのではなく、その違いを尊重し合うことが、私たちの命を育んでいくことなのです。
当時、聞いたときにはあまり深く考えてこなかった言葉ではありますが、この言葉を今考えてみますと印象が変わって聞こえてみるものです。
