2月の法話|お知らせ

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2025.01.31

法話

2月の法話

これでいいのだ 


                                                                        赤塚不二夫『天才バカボン』バカボンのパパ


今月の言葉は、人気漫画家、赤塚不二雄氏の作品『天才バカボン』の中に出てくる有名なセリフです。『天才バカボン』は自由奔放なパパが率いるバカボン一家とそれを取り巻く不思議なキャラクターによるナンセンスギャグコメディで、子供だけでなく大人の心も捉えた人気漫画作品です。作品の中では、次から次におかしな出来事が巻き起こります。しかし、バカボンのパパはたった一言で、どんなおかしな事態も受け入れ、ものごとを前向きにとらえていきます。その言葉こそが、「これでいいのだ」です。


 私たちの人生においても、様々な出来事が起こります。それは自分に都合のいいことだけでなく、悲しいこと、悔しいこと、苦しいことなど、「これでいいのだ」とは簡単には言えないような出来事も起こります。時に動かしようのない不都合な出来事が起きたとき、それが事実であっても、なかなか受け入れることができません。ところが、私が事実を受け入れようが受け入れまいが人生は続いていきます。思い通りにならないことも起こる人生であるけれども、どんな出来事が起ころうとも、確かに受けとめ「これでいいのだ」と頷いていく人生の歩みをいただくのが仏教なのです。


 ちなみに、サンスクリット語で「Bhagavan(バガヴァーン)」は、覚れる者という意味があり、それを音写した「バカボン(薄伽梵)」は、お釈迦さまの敬称の一つでもあります。赤塚不二夫氏がどこまで意図して作られたかは分かりませんが、バカボンのパパの名セリフ「これでいいのだ」には、お釈迦さまの教えに通ずるものがあるように思います。決してなげやりや諦めではなく、都合の良いこと悪いこと、すべて含め受け止めて前に進んでいく言葉「これでいいのだ」。とても力強く素敵な言葉です。

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