9月の法話(令和6年)|お知らせ

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2024.09.01

法話

9月の法話(令和6年)

【今月のことば】
見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ


今月の言葉は、「金子みすゞ」さんの詩『星とたんぽぽ』からです。

『星とたんぽぽ』 金子みすゞ


青いお空の底ふかく 海の小石のそのように 夜がくるまでしずんでる
昼のお星はめに見えぬ 見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ
ちってすがれたたんぽぽの かわらのすきにだアまって 春のくるまでかくれてる
つよいその根はめにみえぬ 見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ


世の中のものを大きく二つに分けるとすれば、目に見えるものと見えないものという分け方があるかもしれません。目に見えないものは、ないと思いがちですが、目には見えなくても確かにあるものもありますよね。人を愛する心や思いやる心、まず私たちの心があげられるかもしれません。皆様はどんなものを思い浮かべられるでしょうか。金子みすずさんは、目に見えなくてもあるものとして、この詩では「昼間の星」と「冬のたんぽぽの根」をあげています。とても美しい表現で、優しい心を感じます。


浄土真宗のご本尊の「阿弥陀如来」さまも目には見えないですが、どうでしょうか。本当にいらっしゃるのでしょうか。


『浄土真宗の教章』(私の歩む道)には教義として、「阿弥陀如来の本願力によって信心をめぐまれ念仏を申す人生を歩み、この世の縁が尽きるとき、浄土に生れて仏となり、迷いの世に還って人々を教化する。」とあります。この中で、目に見えないものは、「阿弥陀如来」「本願力」「信心」「縁」「浄土」「仏」でしょうか。目に見えるものは「念仏を申す人生」「迷いの世」「人々を教化する」ではないでしょうか。


目に見えない阿弥陀様は、私たちに目に見える(耳に聞こえる)お念仏を賜り、迷いの世の中を力強く感謝して生きて行ける、目には見えない「本願力」を賜り続けておられるのです。

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