散る葉も 散らぬ葉も
同じひとつの 木を支える
11月を迎えました。木々も鮮やかに色づき、冷たい風とともに葉が散る、紅葉の季節でもあります。
赤や黄色に色づく葉もあれば、枝に残る葉もあれば、地面に舞い落ちる葉もあります。さまざまな姿が重なり合い、秋の美しい景色をつくり出しています。
しかし、木々を彩る葉は、鮮やかに色づいた葉だけではありません。枝に残る葉もあれば、やがて散り、地面へと落ちていく葉もあります。そのどれか一つだけで秋の景色ができているのではなく、さまざまな姿が重なり合って、一つの景色をつくり出しているのです。
私たちの人生も同じように、喜びや成功だけでできているわけではありません。悲しみや苦しみ、失敗や迷いもまた、これまでの歩みの中にあります。もちろん、苦しかった経験を無理に良いものだと思う必要はありません。ただ、今振り返ってみると、あのとき悩んだことや、思うようにいかなかった経験も、今の自分へとつながる大切な歩みの一つだったのかもしれません。
仏教に出遇うことは、これまでの人生をあらためて見つめる機会でもあります。
散る葉も散らぬ葉も、さまざまな姿が重なり合い、秋の美しい景色をつくり出している木々。その姿は、喜びも苦しみも重ねながら歩んできた私たちの人生について、大切なことを語りかけてくれているように思います。
