1月の法話(令和3年)
1月の法話(令和3年)
あなたも私も慈光(みひかり)に照らされています
「原文:光明月日に勝過して 超日月光となづけたり 釈迦嘆じてなほつきず 無等等を帰命せよ」(浄土和讃)
太陽の光はたくましい光です。いのちを育み、私たちに生きる力を与えてくれます。
月の光はやさしい光です。暗闇を照らし私たちの不安を取り除いてくれます。
どちらの光も私たちにとって大切な光ですね。
実はこの太陽の光と月の光を超える「日月の光を超える光」というお名前を持っている仏様がいらっしゃいます。私たち浄土真宗のご本尊である阿弥陀仏です。
親鸞聖人の書かれた「正信念仏偈」みますと、阿弥陀仏を十二の光で表現されていますが、これは阿弥陀仏の徳(光とは仏の智慧の徳を表すものです)を十二種に分けて讃えているのです。
せっかくですから、十二の光の名前と意味をお伝えしましょう。
1. 無量光(むりょうこう)。量ることのできない光。私たちの思慮分別を遥かに超えた智慧のお心
2. 無辺光(むへんこう)。際限のない光。境界を作らず全てを包み込んでいく慈しみのお心
3. 無碍光(むげこう)。何物にも遮られることのない光。どんなことがあっても私たちを受け止め認めてくださる心
4. 無対光(むたいこう)。比べるもののない光。比較を超えた認め合う世界を示してくださるお心
5. 炎王光(えんのうこう)。最高の輝きをもつ光。上下などにこだわることのない世界を示してくださるお心
6. 清浄光(しょうじょうこう)。私たちの貪りの心をを除く清らかな光。
7. 歓喜光(かんぎこう)。私たちのいかりを除きよろこびを与える光。
8. 智慧光(ちえこう)。私たちのまどいを除き智慧を与える光。
9. 不断光(ふだんこう)。常に照らす光。どんな時もみていてくださるお心をあらわす
10. 難思光(なんじこう)。私たちの身勝手な思いなどでは到底思いきかることができない光。
11. 無称光(むしょうこう)。説きつくすことができず、言葉もおよばない光。
12. 超日月光(ちょうにちがっこう)。日月に超えすぐれた光
太陽も月も雲に隠されることがあります。締め切られた空間の中では光が届かない時もあります。
でも阿弥陀仏の心は、いつでもどんな時でも、何物にも遮られることなく私のところに届いて、私がひと時ひと時を大切にしながら、一つ一つのご縁に心から感謝して、尊い人生を歩むように育み導いていてくださいるのです。
新しい年が始まりました。もうしばらくは新型コロナウィルスによって私たちの心も不安や様々な感情に揺れながらの生活になるかもしれません。そんな中ですが、私たちは誰もがこの阿弥陀仏の光に照らされていることを忘れずに、厳しい中でもお互いを敬いあって「誰もが心豊かに生きることのできる社会」に向けて歩んでいきましょう。
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